ミリのひとりごと

昨日の事・・・
横断歩道で信号待ちしていたら、すぐ横に停まったタクシーから降りようとしているおじさんがいるのに気が付いた。
おじさんは完全に外向きの態勢で、足もドアから外の方へ出していて、降りようと言う気持ちはあるのだが、身体が言う事を効かないという状況のよう。
ふと見るとタクシーの運転手さんがおじさんのものと思われる杖を差し出している。
運転手さんと目が合ったので、その杖をおじさんに渡せばおじさんも立てるのかな？という軽い気持ちで杖を受け取り、おじさんに手渡そうとすると、逆に杖があると立ち上がりにくいんだと…
という事で、何かお手伝いする事ありますか？と声をかけ、おじさんが立ち上がれるように背中の方に手を回して立たせようとしてみたり、私の肩につかまって下さいと声をかけて屈んでみたり…

でも、私がチビで頼り無いと思ったのか、逆に危ないと思ったのか、結局つかまろうとはしなかった・・・
私の中では20分〜30分も経ったような気がしたが、実際には10分も経っていなかったんだろうか？
おじさんが、「男の人の力でないと・・・」と呟き、結局タクシーの運転手さんが降りて来て、おじさんを抱え上げるようにして、立たせてくれた。
最終的には運転手さんがやってくれた事なのに、運転手さんは私に「ありがとう！」と声をかけてくれた。
私が「お役にたてなくてごめんなさい」と言うと、おじさんも「ありがとう！」と言ってくれた。
本当に私は何一つ役に立つ事が出来なかった。
おじさんが、自分で立とうと頑張っていたから、文句も言わず、辛抱強く待っていてくれた運転手さん。
おじさんも、チビで女の私には無理だと思っていたかもしれないのに、迷惑だとも言わず…

以前、上り坂を車椅子で必死に上がろうとしている人がいたので、「お手伝いしましょうか？」と声をかけ、車椅子を押した事があったが、車椅子はとっても重かった…
歩道上にバイクが停めてあり、車椅子の人が通り抜けられずに困っていたので、バイクを動かそうと思ったけれど無理だったので、バイクの持ち主を捜し回ったが結局見つからず、車椅子の人も諦めて車道に降りて通って行った事もあった。

何か手伝いたいという気持ちは有っても、結局何の役にも立たない無力な私。
でも、どうせ役に立たないから…と、何もしないのではなく、これからも壁や電柱等にぶつかりそうな白杖の人がいたら、声をかけ誘導したり、駅のホーム等でも声をかけたりetc.…自分の出来る範囲で、自分の出来る事を気負わずに続けていきたいと思う。